連載第11回 違いがわかる有名銘柄飲み比べ

時代とともに変化し続ける高木酒造。伝統と革新を併せ持つ「十四代・朝日鷹」11種を飲み比べてみた(前編)

更新日Mar 30, 2022

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1615年に創業し、常に新しい技術に挑戦し続ける高木酒造。日本の酒造り2000年の歴史の中で、高木酒造ほど尊敬を集めている蔵は他にないだろう。 国内外問わず人気を博している銘柄「十四代」は15代目の髙木顕統氏に引き継がれて初めて完成した日本酒で、14代目である髙木辰五郎氏が「十四代」と名付けた。

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「十四代」の甘美でフルーティーな味わいは、発売された当時の日本酒の主流である淡麗辛口とは全く違ったもので日本酒業界に衝撃を与えると同時に、たちまち全国から絶賛された。 全国では「十四代」の名が知られているが、創業当時から作られる銘柄「朝日鷹」と十四代の中でも一部の商品が地元限定で販売されている。今回は「十四代」10種と「朝日鷹」の計11種をテイスティングコメントとともに紹介していく。

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1. 十四代 双虹

フレッシュで爽やかな果実に米粉のような上品な香りに、優しい甘みが口の中で広がる。爽やかな後味で飲みやすく、透明感のある味わい。白身魚のムニエルや穴子の白焼きなどの淡白な味わいのものとよく合う。しっかり冷やしてリースニングやチューリップ型の白ワイン用グラスで楽しむのがおすすめ。

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2. 十四代 七垂二十貫

果実や酸が感じられる落ち着いた爽やかな香り。柔らかくなめらかな風味にジューシーな酸味が豊かに広がる。バランスの良い味わいと豊かな酸味はバターとの相性が良い。ローストチキンや根菜のグリルなどがおすすめ。また、フレッシュチーズやウォッシュタイプのチーズを中心にさまざまなチーズとの相性も楽しめる。

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3. 十四代 EXTRA(エクストラ)

米の旨味と甘みがバランスよく、適度な酸味が軽やかにまとめ上げる。凝縮された風味が口いっぱいに広がり、爽やかな後味へと導き、広がる旨味は洗練されている。優しい甘みと爽やかな酸味はスパイシーなエスニック料理との相性が抜群。洗練された「十四代 EXTRA」のコクは玉子焼き、しゃぶしゃぶの旨みを引き立てる。

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4. 十四代 中取り純吟 播州愛山

メロンやバナナのような濃醇な果実の香りにすっきりした余韻が感じられる。酒米「愛山」の特徴である豊かでボリューミーな味わいに、滑らかな舌触り、そして繊細な甘味と旨みが広がり深い味わいになる。華やかな香りと濃醇な甘味はタイ料理のパッタイやチキンカレーなどのマイルドな辛さの料理やクリーミーなチーズとの相性が良い。

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5. 十四代 中取り純米

米の柔らかい香りと骨格のある濃厚な旨みがあるミディアムボディ。バランスが取れた濃厚な味わいはカニクリームコロッケやトマトソースのパスタ、チキンの旨みと共に楽しめる。後味の苦味と辛味はクリームシチューなどのクリーム料理に合わせることでコントラストを加える。

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6. 十四代 超特撰

果実や花などの華やかでフルーティーな香り。豊かな旨味に果実のような甘みが贅沢に広がる。バランスの良い酸と柑橘のような苦味が余韻を引き立てる。シーフードやあっさりした鶏肉料理、クリームソースなどとの相性が良い。5℃〜10℃としっかり冷やすことで甘みと苦味が引き締まる。

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7. 十四代 極上諸白

白桃やメロンなどの透明感のある香りが上品に漂う。フレッシュな果実感と爽やかな酸味は甘みに輪郭を持たせ、クリアなキレで締めくくられる。明るくフルーティーな香りと味わいはオードブルや前菜とともに楽しみたい。爽やかな後味は魚介やシンプルな味付けの料理と合わせることで引き立つ。

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8.十四代 黒縄

完熟した南国のフルーツのような甘美な香り。口に含むと洗練された滑らかな質感が感じられ、香りとのバランスが良い。果実の蜜の上品な甘さと旨みの豊かさは後半の柑橘の皮のような苦味を引き立たせる。和牛ヒレや鮑の煮込みなどの濃厚で複雑な味わいの中国の料理との相性が良い。

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9. 十四代 特吟

蜜や甘い果実を思わせる華やかさと新鮮な乳製品の香りが特徴的。柔らかい口当たりと香りが調和し、柑橘のような心地よい苦味が味わいを引き立たせる。洗練された後味のキレは飲み飽きない味わいに仕上がっている。豊かなコクと酸はクリーミーなリゾットや卵料理と相性が良く、しっかり冷やして白ワイングラスで楽しみたい。

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10. 十四代 秘蔵酒

低温熟成を経た純米大吟醸古酒。豊かな果実の香りとナッツの穏やかな香りが広がる。ビロードのようなしなやかで丸みを帯びた口当たり。芳醇な甘みと旨味に柑橘系の酸味でバランスをとる。長くなめらかな余韻が贅沢に感じられる。大トロやウニ、アナゴなどの甘みのある風味豊かな食材との相性が良い。北京ダックやハタの姿蒸しのような複雑な味わいの中華料理とも◎

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11. 特撰朝日鷹 生原酒

甘み、旨み、酸味のバランスをしっかり感じさせることでアルコール度数の高さを感じさせない。しっかりと冷やして本醸造の後味のキレとドライな味わいを楽しむ。温度が上がるにつれて甘みとコクが感じられる。秋刀魚の塩焼きや、うなぎの蒲焼きなどの脂の乗った魚料理、生ハムやアヒージョなどのスペイン料理との相性が抜群。

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まとめ1

高木酒造は新しい技術や酒米の開発など革新的に前に進むだけではない。伝統や教えも大切にし、初代が初めて造った銘柄「朝日鷹」や米焼酎「鬼兜」は400年経った現在も作り続けられている。代々受け継がれてきた醸造技術と共に14代目髙木辰五郎氏の意志は、15代目髙木顕統氏へと。高木酒造の歴史は続いていくのだ。 次回の「飲み比べ記事」では引き続き高木酒造の飲み比べですが、自社で開発した酒米で醸したものから季節限定の生酒を中心に計11種を紹介していきます。

テイスティングコメント:ウイルソンライ レベッカ(Rebekah Wilson-Lye) 【ウイルソンライ レベッカ(Rebekah Wilson-Lye) プロフィール】 株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 海外PR・企画、輸出事業部長 SEC Certified Advanced Sake Professional WSET® Sake Level 3 Educator ニュージーランド出身の日本酒専門家。 2016年からIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の日本酒部門の審査員を務め、企業や5つ星ホテル、世界有数のレストラン向けの日本酒コンサルタント、日本酒教育、世界市場向けのトレーサビリティーのあるマイナス5℃の日本酒輸出システムの開発などに携わり活動中。 ------ ■写真:書籍「に・ほ・ん・も・の」より(撮影:大森忠明) 書籍「に・ほ・ん・も・の」(KADOKAWA) 「わざ」「ごちそう」「おもてなし」「にほんしゅ」「おみやげ」をテーマに日本47都道府県から珠玉の53選を紹介した書籍。日本を代表する技と心、それを生み出す「人」に焦点をあてて紹介した書籍。高木酒造も紹介している。
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