【Sakenomy 特集】鍋料理と引き立て合う日本酒10選
更新日2026年01月30日

寒さの深まりとともに恋しくなる鍋料理。そんなお鍋の湯気が立ち上るテーブルには、やはり日本酒がしっくりくるのではないでしょうか。相性のいい理由としては、日本酒にも鍋料理にも旨味のもととなるアミノ酸が多く含まれており、一緒に味わうことで相乗効果が生まれるから。とはいえ、お鍋も日本酒も多種多彩な味わいがあります。そこで今回は、より美味しさがアップする選び方のコツとともに秀逸な日本酒をご紹介。ご家庭でお鍋を囲む時間がより一層口福に満たされるよう、最適な一本をお選びください。
七賢 絹の味 純米大吟醸

寛延3年(1750年)、山梨県北杜市に創業した山梨銘醸。現在は、北原対馬さんと亮庫さんの若き兄弟が中心となり、同郷のサントリー白州蒸溜所や中村キース・ヘリング美術館とのご縁から生まれたスパークリングでも目覚ましい進化を遂げています。酒造好適米「夢山水」を使用した「七賢 純米大吟醸 絹の味」は、贅沢な純米大吟醸規格でありながら、日常の食卓で飲んで欲しいという想いで醸されました。大吟醸特有のフルーティーな香りを控えめに、派手さを押さえたすっきりとした爽やかな口当たり。豚のしゃぶしゃぶなど、食材の持ち味をシンプルに味わう鍋にぴったりです。ポン酢や胡麻ダレ、薬味による変化も、懐の深い上品な柔らかさが受け止めてくれます。
この日本酒詳細を見る七田 七割五分磨き 山田錦

天山酒造の前を流れる祇園川は、天山山系の水を集める清流で源氏ボタルの発祥の地とされ、蛍の名所として親しまれています。地元を中心に流通する「天山」「岩の蔵」のほか、「七田」は6代目の七田謙介さんが、県外向けに設立したブランド。その中でも酒米違いで醸す「七割五分磨き」シリーズは、低精米において先駆け的存在です。酒米の王様「山田錦」を敢えてあまり磨かず、お米の魅力を最大限に引き出しています。ほんのりと黄色がかった色合いに、ほっと和む穏やかな香り。1年以上熟成させているため、力強さと円やかさが共存するこちらは、豆乳鍋やチーズ鍋などと相性抜群。お燗にしても心地よい酸味やキレが感じられ、軽快に飲み進められます。
この日本酒詳細を見る會津宮泉 純米酒

福島県会津若松の地にて、昭和39年に創業した宮泉銘醸。「會津宮泉」を主力銘柄として造り続け、その後、同じ市にある本家筋の酒蔵の廃業に際し、銘柄「冩樂」を引き取ることになりました。4代目の宮森義弘さんの革新的な酒造りによって「冩樂」はたちまち頭角を現し、入手困難な人気銘柄に成長。そして、県内限定流通の銘柄の「會津宮泉」においても酒質を向上させます。2018年には「會津宮泉 純米酒」が、国内最大級の日本酒品評会「SAKE COMPETITION 2018」の純米部門GOLDにて栄誉ある第1位を獲得するまでに。口に含むと、米の旨味と酸味がバランスよく広がり、キリッとした後味が印象的。たくさんの野菜の旨味がしみ出した澄んだポトフのような鍋と共にぜひ。
この日本酒詳細を見る天狗舞 COMON 特別純米

江戸後期の文政6年(1823年)以来、霊峰白山を望む加賀平野で酒造りを続ける車多酒造。森に囲まれており、木々の葉のすれあう音がまるで天狗の舞う音に聞こえたことから「天狗舞」の名が付けられたとか。多くの日本酒を山廃仕込みで醸すなか、こちらは新たなコンセプトで発売された1本です。「COMON」には2つの意味があり、一般的に普段着として用いられる着物である「小紋」、共通の、共有のという意味の英語「common」から。酒文化を次代へ繋げるべく、日頃日本酒に馴染みの少ない方々にもわかりやすい味わいの分布やおすすめの温度帯を図で表示しています。軽やかな旨味と程よい酸味が調和するテイストが、すき焼きのような濃厚な味わいも包み込むでしょう。
この日本酒詳細を見る若波 純米大吟醸 山田錦

福岡県大川市で、蔵の傍を流れる筑後川のように「若い波を起こせ」と命名された『若波』を醸す若波酒造は、「味の押し波・余韻の引き波」をコンセプトに、味がぐっと押し寄せ、すっと爽やかにひいていくような“波”を表現した味わい設計をしています。 福岡国税局酒類鑑評会や全国酒類鑑評会などでも金賞を獲得した実績をもつ「若波 純米大吟醸 山田錦」は、香りは穏やかな甘美を感じ、氷温熟成によるなめらかな飲み口で、ふくよかな旨味が口の中に広がります。マスカットやメロンを思わせる香りや爽やかさが、ポン酢を使って食べるしゃぶしゃぶとの相性が良いです。福岡名物の水炊きとも相性抜群。
この日本酒詳細を見る笑四季 マスターピース 吽 火入

滋賀県甲賀市に蔵を構える1892年(明治25年)笑四季酒造。創業2代目により命名された『笑四季』は、「酒は人生を楽しく暮らすときの糧となり、人と人とを絆ぐ潤滑剤の役目を担う。四季折々、酒を以って日々笑って過ごせるようにと願う」という願いが込められていると言い伝えられています。現蔵元の竹島充修は、四季の移ろいや自然の美しさからインスピレーションを得て、「天地自然の理に従う」という哲学のもと、地元近江の厳選された原料米と鈴鹿山系の伏流水を使用し、純米仕込、無添加無調整のナチュラル製法によって味わいが造り上げられています。 『マスターピース』シリーズは、酒蔵の技術研鑽を目的として醸されるフラッグシップモデルです。「吽」は、清流のように澄み渡る気品ある香りと複雑で凝縮された原料米の持つふくよかな味わいを感じることができ、肉の脂と野菜が溶け込むシンプルながらも深い味わいのポトフや魚介類の旨味たっぷりのブイヤベースなどの洋風の鍋物やスープとの相性も抜群です。
この日本酒詳細を見るゆきの美人 純米大吟醸

秋田市の中心部にある町中のマンション1階部分で酒造りを行う小さな酒蔵。低温管理ができる設備を整えた四季醸造のため、年間を通して新酒をリリースすることができます。往復2時間かけて汲みに行く秋田屈指の軟水である大平山の湧水を仕込み水に、全て大吟醸用の小容量のタンクで純米酒以上のみを製造。「ゆきの美人 純米大吟醸」は、若々しいフレッシュな口当たりで、爽やかな酸味、味の膨らみが感じられます。純米大吟醸であっても飲み飽きない親近感ある味わいは食中酒に最適。秋田の郷土料理であるきりたんぽ鍋と味わえば、一体となるような相性のよさです。お酒もお鍋も、地方それぞれの個性がある日本が誇る伝統文化。同じ郷土のお酒と食事は自然に寄り添います。
この日本酒詳細を見る大七 純米生酛 クラシック

1752年(宝暦二年)創業の大七酒造は、日本酒の最も正統且つ伝統的な醸造法である「生酛造り」一筋に、旨味の深さと料理との調和を追求した酒造りは、国内はもとより、世界から高い評価を得ています。「大七 純米生酛 クラシック」は、“フルーティーな大吟醸に対応するうま味豊かなフルボディの高級酒があってもよい“という想いから作られた“高級純米酒“という新しいコンセプトの1本です。しっかり熟成させた深く濃醇な旨味のある味わいは、コクと粘性のあるゴマダレを使ったしゃぶしゃぶの旨さをより引き立たせます。お燗にするとより魅力を発揮するでしょう。
この日本酒詳細を見る美冨久 山廃純米 CHURYUMOV329

東海道五十三次の宿場町として栄えた水口宿の街道筋に蔵を構える美冨久酒造。奥深いお米の旨味を表現した山廃仕込み中心の「美冨久」と、フルーティーで軽やかな速醸の吟醸造りをメインとした「三連星」の2つの銘柄を展開します。「チュリュモフ」とは、秒速32.9kmの速度で宇宙空間を移動する周期彗星。「みふく=329」の語呂合わせから、酒造好適米「彗星」を32.9%磨いて精米歩合67.1%とし、得意の山廃仕込みで製造しました。旨味とコクを存分に感じられ、酸味からくるジューシーさも。ボディがしっかりとしていますので、個性の強いキムチ鍋などにも負けない存在感です。温度帯による変化も楽しめ、冷やせばきりりとした爽酒に、ぬる燗ならじっくり味わえる薫酒に。
この日本酒詳細を見る月山 特別純米 出雲

1743年に島根県安来市で創業し、約300年に亘り伝統を守り続ける吉田酒造。代表銘柄『月山』は、島根県安来市広瀬町の戦国時代の富田城の歴史に由来し、かつてその年の最高の酒を「月山」として殿様に献上していた伝統にちなんで、”常に最高の酒を造りつづける”という想いを込めて名付けられました。日本酒に馴染みのない方にも純米酒の美味しさを存分に堪能していただける、フレッシュで香り高いキレのある味わいを守り続けています。 「月山 特別純米 出雲」は、心地よい果実の香りに、やさしく透き通った旨味が口の中でじんわり広がりながらも、スッキリとしたキレのある後口が特徴の旨口純米酒です。程良い酸味と旨味のバランスがよく、キレのある味わいが牡蠣鍋やアンコウ鍋、鱈の白子鍋など、魚介が主役のお鍋に打って付けです。
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今回は、鍋料理と引き立て合う日本酒をご紹介してまいりました。さっぱりとした味わいのお鍋には香り高い吟醸タイプ、濃厚な鍋には純米酒や生酛のような骨格あるタイプなど、同じ味わいのイメージを組み合わせるとしっとりと身体に染み入ります。その一方で、真逆のタイプを合わせてコントラストを楽しむのも面白い発見があるかもしれません。また、少しもったいない気もしますが、煮詰まってきた鍋を余ったお酒で整えるのもひとつの手。ぜひお好みの相性を探りながら、鍋料理とともに極上の日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。